
すべてのマンションは廃墟になる (イースト新書)
榊淳司
イースト・プレス / 2019-02-15
この本について
マンションって本当に「買い」なのか。住み替えを考えるたびに、この問いが頭から離れません。ローンは組めるけど、管理費や修繕費がじわじわ効いてくる。管理組合の動きもよく分からないし、タワマンのキラキラ感と、どこか不安な感じの落差も大きい。そういうモヤモヤを抱えたまま物件サイトを眺めていると、だんだん自分が何を基準に判断しているのかすら分からなくなってくるんですよね。 この本は、そうした不透明さを一度ぜんぶ“現実ベース”に戻してくれます。例えば、外壁タイルの剝落や雨漏りといった劣化の話が、ただの「老朽化リスク」ではなく、管理組合の責任や長期修繕計画の甘さと直接つながっていること。あるいは、管理会社が管理組合と利益相反になりやすい構造や、総会議事録の確認がなぜ必須なのかといった部分を読むと、「知らないまま買う」怖さが一気に具体化します。年収1400万円でも維持費で生活が締まるという実例なんて、数字で見せられると笑えなくなるレベルでした。 読みながら気づいたのは、「買う/買わない」以前に、マンションという仕組みを曖昧に理解したまま大きな判断をしていたことです。立地が価値の9割を占めるとか、施工会社の名前で判断したほうがいい場面があるとか、モデルルームの値引き交渉の裏側とか、買う側が知らなきゃいけない“地に足のついた判断軸”がちゃんと書かれている。派手な夢ではなく、長く住むための冷静な目線を取り戻させてくれる本でした。 マンション購入を「そろそろ本気で考えなきゃ」と思いながら、怖さも感じている人にはかなり刺さるはずです。私もこれを読んでから、物件を見るときの視点がだいぶ変わりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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