
おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密
高井 浩章
この本について
お金のことを考えるとき、どうしても「正しい・間違っている」で割り切れない場面にぶつかることがあります。投資は本当に人の役に立っているのかとか、必要悪とされる仕事をどう捉えればいいのかとか、資本主義の仕組みに乗りながらもどこか居心地の悪さを感じるとか。僕も働きながら、こういうモヤモヤをずっと抱えてきました。 『おカネの教室』が面白いのは、この“どっちつかずの気持ち”にそのまま寄り添ってくれるところです。善と悪を簡単に線引きせず、社会を動かす構造を子どもでも分かる言葉で説明しつつ、読者を甘やかしすぎない。たとえば、職業を「かせぐ・もらう・ぬすむ」で整理する場面では、自分の働き方を強制的に振り返らされましたし、必要悪を「人間の本性に根ざしていて、この世からなくせない」と認める視点には、妙なリアリティがあります。良い悪いではなく、どう折り合いをつけて生きるかを考えさせられるんですよね。 さらに、リーマンショックのくだりのように、経済の大事件が“人間の行動の積み重ね”として描かれるのも効きました。銀行家だけが悪いという話ではなく、仕組みがどう歪み、人がどう判断し、どこで破綻するのか。その流れが見えると、自分が日々触れているニュースの見え方が変わります。「必要悪とどう向き合うか」「市場に委ねるとはどういうことか」という問いが、急に自分ごとになる感じがあります。 きれいごとでは片付かない世界で、どう現実と手を取り合うかを考えたい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
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