
定本 バブリング創世記 (徳間文庫)
筒井康隆
累計読者数3
平均ハイライト数 14.3件/人
推定読了時間 約7時間18分
star総合評価 49/100
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この本について
最近、自分の中に残っている「昔の感情」みたいなものに、ふと足をとられる瞬間ってありませんか。仕事中でも帰り道でも、思い出したくもない青春の名残が、急にむくっと顔を出してくる。切ないとか懐かしいとかよりも、正直ちょっと気味が悪い感じで。あれにどう向き合えばいいのか、いまだに答えを持てていない人は多いと思います。 筒井康隆の『バブリング創世記』は、その“残滓”みたいなものを容赦なく引っ張り出してきます。ただ、美化するんじゃなくて、どす黒くて、みっともなくて、でも確かに自分の中にあった生命力として描き直してくれる。そのおかげで、「ああ、あれってそういう質感のものだったんだな」と距離が取りやすくなるんですよね。観光地のパロディみたいな場面や、原因と結果が無限に増殖していく不条理な描写も、自分の日常のモヤモヤをちょっと外側から眺める感覚をくれます。 読みながら、私自身も「なんでこんな些細なことがいつまでも尾を引くんだろう」と思っていた部分に、少しだけ光が当たる感じがしました。まともな答えをくれるタイプの本ではないけれど、感情の正体がぼんやり形を持ちはじめるだけでも、ずいぶん楽になるものです。 自分の中の“昔の自分”にいまだに振り回されている人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
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