
教師の勝算―勉強嫌いを好きにする9の法則
Daniel T. Willingham and 恒川 正志
この本について
子どもに「考えてほしいこと」と、実際に授業中に子どもが「考えていること」がズレてしまう。この違和感、先生をやっている人だけじゃなく、親でも、誰かに何かを教える立場なら一度はぶつかると思います。自分なりに工夫しているつもりでも、問いが弱かったり、背景知識が足りなかったりして、思った方向に考えてもらえない。あの手ごたえのなさが、ずっと引っかかるんですよね。 この本が効いてくるのは、そのズレの正体を認知科学の視点から丁寧にほどいてくれるところです。たとえば、探究学習が機能する条件は「すぐにフィードバックが返ってくる環境」だと示してくれたり、子どもが何かを理解できないときは「思考するための材料=背景知識」が欠けているだけ、と整理し直してくれたりする。問いが人の興味を引き、記憶は思考の残りかすである、という考え方も、授業をどう組み立てるかを考えるときの軸になります。単に「もっと考えさせよう」と気合いでいくのではなく、「何を・どの順番で・どんな負荷で考えさせるか」という現実的な視点に落ち着くのがありがたいところです。 特に、授業を物語のように組み立てるという話は、教室以外でも効きます。相手がどんな知識を持っていて、どんな手がかりがあれば次に進めるのかを想像する作業そのものが、コミュニケーション全般に通じるからです。教える場面で迷っている人ほど、「自分がなぜ詰まっていたのか」が言葉になるはずです。 こんな人に刺さると思います。子ども相手でも大人相手でも、「説明しているのに伝わらない理由」を構造的に知りたい人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
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