
自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学 (講談社現代新書)
森口佑介
講談社 / 2019-11-13
この本について
最近、自分の気分や集中力に振り回されて「やりたいことはあるのに、思ったように進まない」という相談をよく聞きます。僕自身も似たようなことで悩むので、気持ちはすごくわかります。努力の問題と言われるとつらいけれど、かといって性格だけの話でもない。その中間みたいなところでずっとモヤモヤするんですよね。 この本が面白いのは、「実行機能」という、人が目標に向かうときの“アクセルとブレーキ”みたいな力を、かなり具体的に説明してくれているところです。頭の良さとは別の能力で、ストレスや家庭環境、睡眠の質といった日常のささいな条件で上下してしまう。だからこそ、自分を責めるよりも、環境や行動の整え方に意識を向けたほうがいいのだと、少し気が楽になりました。たとえば、夜更かしが前頭前野の働きを落としてしまう話や、感情が乱れると切り替えが難しくなる仕組みなど、日常の「なぜ今日うまくいかないのか」に説明がつく場面が多いんです。 とはいえ、この本は「こうすれば劇的に変わる」と言い切るタイプではありません。むしろ、実行機能はゆっくり育ち、環境の影響も大きいから、焦らず積み重ねていくしかないという現実的な視点をくれる本です。自分をコントロールする力を鍛えるというより、「どうすれば崩れにくい状態をつくれるか」を一緒に考えてくれる感じがします。 自分の行動や気分がブレやすくて悩んでいる人や、「意志が弱い」と思い込みがちな人に特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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