
類似と思考 改訂版 (ちくま学芸文庫)
鈴木宏昭
この本について
仕事で問題に向き合うたびに、「なんで同じミスを繰り返すんだろう」とか「論理的に考えているつもりなのに、判断がぶれる」と感じることがあります。自分が何か見落としているのは分かるけど、それが“思考のどこにあるのか”まではなかなか掴めないんですよね。 『類似と思考』は、そのモヤモヤを「自分の頭の使い方のクセ」という視点から捉え直させてくれます。たとえば、有名なカード課題のように、形式的には簡単な論理でも文脈が変わると正答率が激変する、という指摘。自分が間違えているのではなく、人間の思考そのものが文脈に強く引っ張られる構造を持っていることがわかるだけで、判断のズレを“個人の欠点”として抱え込みすぎなくなります。さらに、この本が面白いのは、単に弱点を示すのではなく、「文脈が合うとき、人はむしろ正しく推論できる」という点にも光を当てているところです。 もうひとつ印象に残ったのは、準抽象化という考え方。具体例に引きずられず、必要な条件だけを抜き出すことで、問題の解決策が一気に広がるという話は、仕事の場面でもそのまま効きました。特定の成功体験に縛られて視野が狭まっているときに、「自分はいま何をゴールにして、この状況のどこを抽象化すべきなのか」を問い直すだけで、選択肢の見え方が変わります。 感覚としては、論理力を鍛える本というより、「自分の頭がどんな文脈で働き、どんな文脈で止まるのか」を静かに見つめ直すための一冊です。思考のズレを“矯正”したい人よりも、“構造として理解したい人”に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要






