
深夜特急3―インド・ネパール―(新潮文庫)【増補新版】
沢木耕太郎
累計読者数8
平均ハイライト数 6.4件/人
star総合評価 56/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 60%
この本について
最近、日々をこなしているだけで「自分の感覚がどこか麻痺しているな」と感じることがあります。驚くことも減って、好き嫌いすら曖昧になってくるようなあの状態です。そんなときに思い出したのが『深夜特急3』でした。旅の本ではあるけれど、読んでいると自分の“鈍くなった部分”がじわっと動き出すような感覚があるんです。 たとえば、インドでは「ありがとう・すみません・どうぞ」という言葉が存在しない、という場面。礼儀の話ではなく、そもそも前提としての世界の見え方が違うんだと気づかされます。また、ベナレスで描かれる“生と死が同居している光景”や、カルカッタの“悲惨も崇高も等しくそこにある感じ”は、物事を一面的に解釈しがちな自分の視点を揺さぶってくれます。理解しようと身構えるより、とりあえず「見る」だけでいいという感覚が残るのも大きかったです。 そしてこの巻の核心は、「どうでもいいと思えた瞬間に、目の前のものが愛おしくなる」という感覚かもしれません。好き嫌いを超えて、ただ目の前の世界に触れるだけで十分だったという気づきが、読み手にもじんわり効きます。旅の経験がなくても、「最近、世界との距離がつかめない」と感じている人ほど沁みるはずです。
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出版社による紹介
風に吹かれ、水に流され、偶然に身をゆだねる旅。そうやって“私”はマレー半島を経て、やっとインドに辿り着いた。カルカッタでは路上で突然物乞いに足首をつかまれ、ブッダガヤでは最下層の子供たちとの共同生活を体験した。ベナレスでは街中で日々演じられる生と死のドラマを眺め続けた。そんな日々を過ごすうちに、“私”は自分の中の何かから一つ、また一つと自由になっていくのだった。文字拡大増補新版。「あの旅をめぐるエッセイ」を新たに収録。
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