
武器としての組織心理学――人を動かすビジネスパーソン必須の心理学
山浦 一保
ダイヤモンド社 / 2021-09-14
この本について
仕事に熱心になればなるほど、やりがいと同じくらい、もやもやも増えませんか。人の評価に敏感になったり、誰かを羨んで落ち込んだり、部下との関係がふとした一言でぎくしゃくしたり。自分だけが未熟なんじゃないかと思ってしまうあの感覚、けっこうみんな抱えているようです。 この本が面白いのは、そうした人間関係の揺れを「弱さ」ではなく、組織で働く私たちがもともと持っているセンサーや仕組みとして説明してくれるところです。例えば、妬みが湧くのは欠点ではなく、相手から資源を守ろうとする働きが動いているからだとか、期待されていないと成果が落ちる「ゴーレム効果」が実際に起きているからだとか。感情を責めるのではなく、現実のメカニズムとして扱ってくれるので、無理に前向きになろうとしなくても状況が理解できます。 もう一つ刺さったのは、信頼関係が一度崩れたときの立て直し方がとても具体的なことです。謝ること、そして相談を持ちかけること。この二つだけでいい、と言われると肩の力が抜けますし、実際に職場でのコミュニケーションが変わりそうだなと思えます。また、「役割が明確になるだけで人は没頭しやすくなる」という話も、自分の働き方を見直すきっかけになります。 組織の人間関係で疲れやすい人、あるいは部下や同僚との距離感に悩んでいる人には、静かに効く一冊だと思います。自分の感情を否定せずに、でも現実的に働き方を整えたいときにちょうどいい本です。
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