
スタンフォードの権力のレッスン
デボラ・グルーンフェルド and 御立 英史
ダイヤモンド社 / 2021-07-27
この本について
仕事で人を動かす役割を任されたとき、「自分には権力なんてないし、向いていないんじゃないか」と感じる瞬間ってあります。声を出すのも緊張するし、場を仕切ろうとすると途端にぎこちなくなる。権力とかリーダーシップという言葉を聞くだけで、身構えてしまうあの感じです。 この本は、そんな“自分は弱い側だ”という思い込みをいったん脇に置き、いまの自分が持っている力をどう扱うか、という視点を与えてくれます。権力は固定されたものではなく、相手との関係性の中で常に揺れ動くという話や、自分の「役」を選んで演じることで広い心を保てるという説明は、読んでいて肩の力が抜けました。いじめや攻撃に直面したときの対処として、共感を“戦略的に”使うという話も印象的で、弱さを隠すのではなく、状況を動かすためのひとつの方法として提示されています。 特に響いたのは、成功している俳優が不安に押しつぶされず役を演じ切るように、私たちも仕事の場で選んだキャラクターになりきる練習ができる、という視点です。自分を大きく見せるのではなく、いま必要な振る舞いを身体に教えていく。そこに“偽物になる”という罪悪感は必要ないんだと、少しだけ勇気が出ました。 自分の立場に自信が持てないまま人と関わっている人、あるいは「権力」という言葉に苦手意識がある人には、とても静かに効く本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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