
ただしい人類滅亡計画 反出生主義をめぐる物語 (コルク)
品田遊
コルク
この本について
最近、「正しさって何なんだろう」とか「生む・生まれるってそんなに簡単に語れる話じゃないよな」とぼんやり考えることが増えていて。誰かと言い合いになるほどでもないけど、胸の奥にずっとひっかかる感じ、ありませんか。社会の物語に乗り切れない時もあれば、逆に自分の利己心に正直でいたい日もある。どの顔が“ほんとの自分”なのか、よく迷います。 この本は、そんな揺れを無理に整理しようとしないところが妙に落ち着くんです。反出生主義という重いテーマを扱っているのに、読者に答えを押しつけず、むしろ「議論には前提があって、そこが食い違うと噛み合わないよね」という当たり前だけど見落としがちなポイントを丁寧に見せてくれる。自分の利己心や黒い部分をどう扱うかについても、“否定するか肯定するか”じゃなく、自分の中にそういう層がある前提で考える視点がもらえます。 読んでいると、他人の主張の強さよりも、「その人がどの水準の正しさで話してるのか」を自然と意識できるようになるのが面白いところで、これは日常の対話でもかなり効きます。善悪を語るときの薄っぺらさとか、道徳が社会維持のための装置でしかない側面とか、普段うまく言葉にできなかったモヤモヤが形になる感じがあります。 「誰かを論破したいんじゃなくて、自分の中の整理できない感情だけどうにかしたい人」に刺さる本です。今の自分の立っている場所をちょっと俯瞰したくなるときにちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
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