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教養としてのアメリカ短篇小説

教養としてのアメリカ短篇小説

都甲 幸治

NHK出版 / 2021-10-15

累計読者数6
平均ハイライト数 52.5件/人
推定読了時間 約3時間36分
star総合評価 65/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 23%

この本について

人と関わるのは好きなはずなのに、ふとした瞬間に「自分ってずっと孤独を抱えたままなんだな」と気づいてしまう時があります。価値観の違う相手と言葉が通じない感じがして、議論してもどこか噛み合わない。そんなとき、世界の見え方そのものを少し変えてくれる本に出会うと、呼吸がしやすくなります。 『教養としてのアメリカ短篇小説』は、アメリカ文学そのものを詳しく知るための本…というより、僕にとっては「人が何に傷つき、何に支えられるのか」を別の角度から照らしてくれる一冊でした。例えば、見知らぬ人のささやかな優しさが何年も記憶に残る理由を掘り下げるくだりは、孤独の感じ方が自分だけのものではないと気づかせてくれます。また、アメリカ文化に根付く男らしさ・戦争・アルコールのつながりを読むと、誰かの破滅的な行動も単なる“弱さ”だけでは説明できないことが見えてくる。さらに、移動を前提とする国で育まれた物語が、人間関係の深さではなく「生き抜くための水平移動」を描きがちな理由も、読みながら腑に落ちていきます。 アメリカ文学を学ぶ本というより、「人の複雑さを別の文化を通して理解したい人」に刺さると思います。小さな優しさがどうして胸に残るのか、なぜ社会はこんなにも不均等で、なぜ人は時に暴力的になるのか。そんな問いを抱えたまま日々を過ごしている人に、静かに寄り添う一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

戦争、奴隷制、禁酒法……背景を理解すれば、作品がもっとよくわかる 「黒猫」のプルートはなぜ黒いのか? 書記バートルビーはなぜ「しない方がいい」と思うのか? 度重なる戦争の歴史、色濃く残る奴隷制の「遺産」等、アメリカという国、そこに暮らす人々の特異な歴史的・文化的・社会的背景を踏まえて短篇小説を読み解く。これまで主にマイノリティや越境者の文学に注目してきた著者が、メルヴィル、フィッツジェラルド、フォークナー、ヘミングウェイ、サリンジャー等、アメリカ文学の「王道」といえる作家に挑む、アメリカ文学入門の新・定番! 〈目次〉 暴力と不安の連鎖―ポー「黒猫」 屹立する剥き出しの身体―メルヴィル「書記バートルビー‐ウォール街の物語」 英雄の物語ではない戦争―トウェイン「失敗に終わった行軍の個人史」 共同体から疎外された者の祈り―アンダソン「手」 セルフ・コントロールの幻想―フィッツジェラルド「バビロン再訪」 存在の基盤が崩れるとき―フォークナー「孫むすめ」 妊娠をめぐる「対決」―ヘミングウェイ「白い象のような山並み」 人生に立ち向かうためのユーモア―サリンジャー「エズメに‐愛と悲惨をこめて」 美しい世界と、その崩壊―カポーティ「クリスマスの思い出」 救いなき人生と、噴出する愛―オコナー「善人はなかなかいない」 言葉をもたなかった者たちの文学―カーウ゛ァー「足もとに流れる深い川」 ヴェトナム戦争というトラウマ―オブライエン「レイニー河で」 愛の可能性の断片―リー「優しさ」
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