
はじめて学ぶ環境倫理 ──未来のために「しくみ」を問う (ちくまプリマー新書)
吉永明弘
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この本について
環境の話って、「自分がエコバッグを持つくらいで何が変わるんだろう…」みたいなモヤモヤがつきまといますよね。罪悪感だけ積み上がって、でも実際のところ何をどう変えればいいのかは見えないまま。僕もずっとその循環にハマっていました。 この本が面白いのは、「環境問題は個人の心がけではなく、社会のしくみそのものの問題だ」とはっきり示してくれるところです。パリ協定がうまく回らない理由を政治・経済の構造から説明したり、CO2の排出をライフサイクル全体で見直す視点をくれたり、個人が黙々と節制する世界線とはまったく違う地図を広げてくれます。読み進めるうちに、「努力が足りないんじゃなくて、努力が効く場所がそもそも違うのか」と少し肩の力が抜けました。 もう一つ刺さったのは、環境を守ることが“自然のため”と“人間のため”のどちらかではない、という説明です。多様な生態系があってこそ都市の暮らしも成立するし、都市そのものも多様性によって活気づく。抽象論ではなく、集合住宅のあり方や、古い建物が若い世代の挑戦を支えてきた歴史など、具体的な場面で語ってくれるので、自分の生活のすぐそばに環境倫理があることが実感できます。 「個人で頑張る話では限界を感じている人」におすすめです。自分の生活を責めるのではなく、どうやって社会的アクションにつなげていくか。その入口として、ちょうどいい一冊でした。
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