
プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」
木部 智之
この本について
プロジェクトが少しずつ不穏になっていく時って、「どこから手をつけたらいいんだ…」と分からないまま日々が過ぎていきますよね。気づけば定例は増え、メンバーは疲れ、リーダーは自分が全部背負ってしまいそうになる。僕も何度かそういう空気にのまれて、頭の中だけで処理しようとして限界を迎えたことがあります。 この本が効いてくるのは、まさにそういう“じわじわ悪化している現場”にいる時です。たとえば、まず腹をくくるという最初の姿勢づくり。逃げ道を残していると判断が遅れるので、ここを丁寧に扱うのはかなり実感があります。それから、紙に書きながら議論するという超基本だけど忘れがちなコミュニケーションの工夫。細かい齟齬が積み重なって火種になるので、これだけで現場の温度が変わります。そして、やらないことを決めるという割り切り。火消し局面では「全部やろうとしない勇気」のほうがむしろ結果につながる、という視点がかなり救いになります。 読んでいて思ったのは、著者が“きれいごとではなく現場で本当にやっていること”だけを書いている点です。スペシャルな問題児への向き合い方とか、昼休みの雰囲気で疲弊度を測るとか、こういう話は経験者だからこそ出てくるリアルさがあります。プロジェクトを人間の集合体として扱っている感じが、妙に腑に落ちるんですよね。 プロジェクトの火種に早めに気づきたい人、あるいはすでに火がついていて「どうにかここから戻したい」と思っている人に特に刺さると思います。僕自身、読みながら自分の現場の動きと照らし合わせて「ああ、あそこは増員じゃなくて整理だったな」と何度も思い出してしまいました。仕事に追われて視野が狭くなっている時こそ、こういう“実務にそのまま置ける視点”がありがたい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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