
両利きの経営(増補改訂版): 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く
チャールズ・A・オライリー, マイケル・L・タッシュマン, 入山 章栄, and 冨山 和彦
東洋経済新報社 / 2022-06-24
この本について
仕事をしていると、どうしても“今の数字”や“目の前の仕事をきちんと回すこと”に意識が寄ってしまいますよね。自分でも、気づけば大胆な変化より、確実に成果が出るほうへ流されがちです。でもその一方で、このまま同じやり方だけ続けていていいのかという不安もずっとある……。そんなモヤモヤをそのまま言語化してくれるのが『両利きの経営』でした。 読んでみて強く感じたのは、企業も個人も「深化」に流れやすいのは必然だという視点です。納期や数字を守ることが評価される環境で、新しい試みに踏み出せないのは、自分が弱いからではなく構造としてそうなっている。まずそこに救われました。同時に、この本は“それでも変化に向き合わないと生き残れない”という現実を、具体的な組織文化やリーダーの行動から丁寧に示しています。探索と深化をどう並行させるか、その難しさを抽象論ではなく、現実の場面に落ちる形で理解できます。 個人的に響いたのは、強い文化がある組織ほど、誰も見ていないところでの行動まで変わるという部分です。結局、探索を可能にするかどうかは制度よりも文化で、リーダーの小さな振る舞いが未来を左右する。これはチームを持つ人だけでなく、自分の働き方を見直したい人にも刺さるはずです。 「今の仕事を守りながら、新しいことに踏み出す方法に悩んでいる人」にとって、この本は現実的な視点をくれる一冊だと思います。
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