
聞き方の一流、二流、三流
松橋 良紀
明日香出版社 / 2022-12-09
この本について
人の話を聞いているつもりなのに、「なんかうまく噛み合わないな」と感じる場面ってありますよね。相手の話を途中で遮ってしまったり、自分の興味のある質問に寄せてしまったり、逆に気を遣いすぎて感情を拾えなかったり。僕自身、仕事でもプライベートでも同じつまずきを何度もくり返してきました。 この本が助かったのは、聞くことを「情報を受け取る作業」ではなく「相手が安心して話せる状態を整える技術」として捉え直させてくれた点です。例えば、事実と解釈を混ぜない聞き方や、相手のアゴの動きに合わせて呼吸まで揃えるという具体的すぎるほどの方法は、やってみると本当にその場の空気が変わります。相手の主語を「あなた」にする共感の示し方も、ちょっとした違いなのに驚くほど伝わり方が変わりました。さらに、こちらがイラッとする相手の行動を「自分のシャドウの投影」として捉える話は、関係性に余計な感情を持ち込んでしまう理由に気づかせてくれます。 個人的に一番効いたのは、「すぐアドバイスしない」という姿勢を徹底することでした。相手が怒りや不満を吐ききるまで待ち、その後に具体的な不満や望む条件を聞く。この流れを守るだけで、以前よりも本音を引き出せるようになりました。親子でも職場でも、結局はこれができるかどうかなんだなと痛感しました。 「聞く力を伸ばしたいけど、抽象論では動けない」という人にちょうどいい本です。テクニックの話に見えて、その奥にある心の動きまで丁寧に扱ってくれるので、実践すると少しだけ人との距離感が変わります。僕みたいに聞くことに自信がない人ほど、静かに効いてくるはずです。
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