
GE帝国盛衰史――「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか
トーマス・グリタ, テッド・マン, and 御立 英史
この本について
仕事で判断を任される立場になるほど、「どこまで現場に踏み込むべきか」「どこまで数字を信じていいのか」と迷うことが増えます。強気に決めたつもりが裏目に出たり、逆に慎重すぎて動けなかったり。しかも組織が大きくなるほど、上にいくほど、本当の状況が見えにくくなる怖さがあります。 『GE帝国盛衰史』は、この“見えにくさ”がどう積み重なるのかを、実例で突きつけてきます。読者の多くが保存しているのは、イメルトが台所の床に膝をついてまで冷蔵庫を修理したシーンや、悪いニュースが上に上がらなくなる空気の描写でした。現場に飛び込むことの強さと、巨大組織になるとそれすら機能しなくなる構造が、並列して語られる本です。自分の仕事に置き換えると、「今日、何をどこまで見に行くのか」「どんな伝わり方が後々ボトルネックになるのか」が、少し立体的に考えられるようになります。 もう一点、この本が効くのは“成功しているように見える会社ほど、内側では何が隠れているか分からない”という視点を持てるところです。GEキャピタルの短期債務の話や、サービス保証のコストを見積もりで調整して利益を作る話は、派手な決算の裏側をどう読むかのヒントになります。数字をただ疑うのではなく、どんな構造がその数字を支えているかに目が向く感覚が身につきます。 組織の中で意思決定に関わる人、あるいは「自分の会社の空気、どこか危ない気がする」と薄々感じている人には、特に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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