
漂流 日本左翼史 理想なき左派の混迷 1972-2022 (講談社現代新書)
池上彰 and 佐藤優
講談社 / 2022-07-21
累計読者数4
平均ハイライト数 76件/人
推定読了時間 約2時間18分
star総合評価 75/100
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この本について
最近、社会の空気を見ていて「自分が今いる立場って、どんな歴史の延長線上なんだろう」とぼんやり考えることがあります。右とか左とかいう話になると一気に抽象度が上がって、結局よく分からない。けれど、知らないまま距離を取っていると、自分が判断に迷う場面でより混乱するんですよね。 この本は、そういうもやっとした感覚に実務的に効いてきます。七〇年代の労働運動が本当に“明るい”現場だったことや、社会党と共産党のあいだにあった温度差、組織が弱っていく瞬間の具体的な手触りが、とにかく生活感のある話として流れてくる。新聞の裏側で何が起きていたのかとか、大学自治会がどんな空気だったのかとか、ニュースでは拾えないディテールが積み重なるので、抽象的な「左派の衰退」という言葉が急に具体物になる感覚があります。 読んでいて思ったのは、思想そのものより「人や組織がどう迷って、どこで判断を誤り、何が崩壊の兆しになるのか」という部分が、自分の働き方やチーム運営にもそのまま照らせるということでした。理論は立派でも現場で妥協が続くと支持が失われていくとか、方針転換に納得していない人が内側から力を抜くと組織が一気に弱るとか、どれも身に覚えがありすぎる。 歴史の話が得意じゃなくても、「組織の空気がどこで変わるのか知りたい人」には刺さると思います。
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出版社による紹介
労働運動の攻防、社会党の衰退、国鉄解体の衝撃。 左翼はもう存在感を取り戻せないのか? 左派の未来の可能性を問う、「左翼史」第三弾! 【本書の目次】 序章 左翼「漂流」のはじまり 第1章 「あさま山荘」以後(1972-) 第2章 「労働運動」の時代(1970年代1) 第3章 労働運動の退潮と社会党の凋落(1970年代2) 第4章 「国鉄解体」とソ連崩壊(1979-1992年) 終章 ポスト冷戦時代の左翼(1990年代-2022年) 【本書の内容】 ・共産党で起きた「新日和見主義事件」 ・内ゲバ「川口大三郎事件」の衝撃 ・東アジア反日武装戦線と「三菱重工爆破事件」 ・「日雇い労働者」をオルグする方法 ・労働運動で「布団屋」が繁盛した? ・吉本隆明が左翼に与えた影響 ・「郵便番号を書かない」反合理化闘争 ・「革新自治体」「革新首長」のムーブメント ・上尾事件と首都圏国電暴動 ・社会党の弱体化と「江田三郎の追放」 ・「国鉄民営化」と中曽根康弘の戦略 ・土井たか子という尊皇家 ・衰退した社会党、生き残った共産党 ・メディアが「エリート化」した弊害 ・新しい左翼と「ヴィーガニズム」「アニマルライツ」 ・「ウクライナ侵攻以後」の左翼とは ……ほか
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