
どうすれば日本人の賃金は上がるのか (日経プレミアシリーズ)
野口悠紀雄
日経BP / 2022-09-12
この本について
最近、「自分はちゃんと働いているのに、なんで給料だけが置いていかれるんだろう」と思う瞬間が増えました。努力不足と言われればそれまでですが、どうもそれだけでは説明がつかない気がしていて、ずっとモヤモヤしていました。 この本を読んで腑に落ちたのは、賃金の問題って、個人の頑張りよりも“制度”や“産業構造”のほうがよっぽど大きな影響を持っているという視点です。たとえば、日本では付加価値が伸びていないから賃金も伸びようがないこと、アメリカのように高度専門家に高い報酬がつく仕組みが弱いこと、転職市場が機能していないから企業側の都合で構造が固定化されやすいこと…。どれも、自分の努力だけではどうにもならない領域の話で、むしろ「自分が悪いわけじゃなかったのか」と少し肩の力が抜けました。 とはいえ、絶望の話ではありません。新しい技術やビジネスモデルを生み出せる企業は賃金を上げられる、地域で競争が生まれれば賃金も動く、政治や制度を変える力も私たち自身が持っている、という“現実的な打ち手”も示されています。個人としてどう振る舞うべきかまでは書かれていない部分もありますが、「どこに問題があるのか」を理解するだけで、働き方やキャリアの判断の軸がだいぶ変わりました。 いまの賃金の仕組みを“なんとなくの空気感”で捉えている人よりも、ちゃんと構造を知って足場を固めたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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