
ザ・ロイヤルファミリー(新潮文庫)
早見和真
新潮社 / 2022-11-28
累計読者数20
平均ハイライト数 8.9件/人
推定読了時間 約7時間6分
star総合評価 44/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%
この本について
仕事でも人間関係でも、「ちゃんと背負えている大人」ってどれくらいいるんだろう、と思うことがあります。責任感のふりをしてみたり、逆に抱えきれずに距離を置いてしまったり。その揺れの中で、自分は何を大事にして生きていけばいいのか、ふと立ち止まる瞬間ってありますよね。 『ザ・ロイヤルファミリー』を読んでいると、その迷いが少しだけ言語化される感じがありました。競馬という世界を軸にしながら、登場人物それぞれが「誰の思いを受け取り、どこへ渡していくのか」を必死に探している。その姿が、どこか自分たちの働き方や家族との距離感に重なるんです。未来なんて読めないし、選択が正しいかなんてわからない。それでも人に託したり、託されたりしながら進むしかない、という現実の手触りがあります。 特に響いたのは、人ではなく「人への信頼」に投資するという考え方と、勝つ馬だけが未来を切り拓けるという残酷さの裏にある“覚悟の種類”でした。継承という大きなテーマも、立派な話ではなく、昨日の自分から明日の自分へ手渡す程度のものだっていいんだと感じられるのが、この作品の優しいところです。 父を超えようとする息子のように、自分もどこかで何かを超えていかなきゃと思っている人に、とても刺さる物語だと思います。
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出版社による紹介
お前に一つだけ伝えておく。絶対に俺を裏切るな――。父を亡くし、空虚な心を持て余した税理士の栗須栄治はビギナーズラックで当てた馬券を縁に、人材派遣会社「ロイヤルヒューマン」のワンマン社長・山王耕造の秘書として働くことに。競馬に熱中し、〈ロイヤル〉の名を冠した馬の勝利を求める山王と共に有馬記念を目指し……。馬主一家の波瀾に満ちた20年間を描く長編。山本周五郎賞受賞作!(解説・今野敏)
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