
ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術
熊平美香
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2023-02-17
この本について
仕事で複雑な課題に向き合っていると、「一人で考えても堂々巡りだな…」とか、「結局いつものやり方に引っ張られてしまうな…」と感じることが増えました。リーダー職であれば、早く判断することが求められるぶん、ゆっくり話す時間が“非効率”に見えてしまうこともあります。でも直感的に分かっているんですよね。今の時代、過去の成功体験だけではもう突破できない場面が多いことを。 『ダイアローグ』を読んで刺さったのは、対話が「相手の意見を聞く時間」ではなく、「自分では見えない世界に触れる手段」として書かれていたところです。評価判断をいったん保留にして、相手の背景ごと聴く。すると、自分のメンタルモデルがゆるむというか、これまでの前提では抱えきれなかった視点が入ってきます。また、意見の違いはただの衝突ではなく、自分の経験・感情・価値観を知るきっかけにもなる。ここは実際の対話の場で何度も実感してきたことなので、妙に腑に落ちました。 もう一つ、この本が良いのは「対話すれば魔法みたいに成果が出る」とは言わず、関係の質がじわじわ変わる地道なプロセスとして描かれているところです。心理的安全性や専門家同士の謙虚さといった“現場で起きるリアルな難しさ”に触れた上で、それでも対話がチームの目線を揃え、新しい判断基準をつくる支えになると語られています。 前例のないテーマを扱うことが増えてきた人、チームで考えると生産性が落ちる気がして悩んでいる人には、けっこう刺さる本だと思います。
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