
「対話と決断」で成果を生む 話し合いの作法 (PHPビジネス新書)
中原 淳
PHP研究所 / 2022-08-25
この本について
職場で話し合いをしているはずなのに、ふと気づくと「結局いつもの人だけが決めているな」とか、「意見は出たけど前に進まないな」というモヤモヤが残ることがあります。自分も発言しているつもりなのに、どこか本音を隠してしまったり、相手の言葉を最後まで聞けなかったりして、あとで自己嫌悪になることもあります。 この本を読んで腑に落ちたのは、そもそも私たちが“対話”を日常の延長として扱っていたこと自体が勘違いだったという点です。著者は、対話は非日常の特別なコミュニケーションであり、訓練なしにうまくできるものではないと言い切ります。仲が良いかどうかと心理的安全性はまったく別物だという指摘や、日本の組織が同質性を失い、正解が見えにくい時代に入ったからこそ、話し合いの作法を学び直す必要があるという視点は、現場の違和感とつながりやすいと思いました。 特に、相手の意見を飲み込む前に噛みついてしまう癖や、上司が無意識に評価の言葉を差し込んでしまう構造など、「ああ、これ自分もやってる」と思う場面が多かったです。対話でズレを出し、その後の決断と自発的フォローまで含めて初めて話し合いが機能する、という流れが示されているので、明日からのミーティングをどう変えればいいかが具体的に見えてきます。 同じように「話し合いがうまくいかない理由が言語化できずに困っている人」に、とても静かに刺さる本だと思います。
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