
エンタメビジネス全史 「IP先進国ニッポン」の誕生と構造
中山 淳雄
日経BP / 2023-03-24
この本について
仕事でエンタメ業界のニュースを追っていると、「なんでこの企画は通るんだろう」とか「どこにお金が流れているのか全然つかめない」といった宙ぶらりんな感覚が続くことがよくあります。作品は好きなのに、ビジネスの仕組みが見えないまま判断してしまっている気がして、どこかモヤっとするあの感じです。僕自身もしょっちゅうそこで迷っていました。 この本は、その曖昧な部分に輪郭をつけてくれる一冊でした。たとえば、アニメが視聴率だけでは採算が取れないのに、なぜ今こんなに量産されているのか。そこに製作委員会方式という“出口を押さえたプレイヤーが投資を後押しする”仕組みがあると知ると、普段見ている作品の背景が全然違って見えてきます。また、ポケモンのような巨大IPが、最初はたった2人の会社から生まれ、任天堂がなぜそこに投資したのかという文脈を追うと、企画の芽の育ち方が現実味をもって理解できます。さらに、音楽産業がナップスター、iTunes、スポティファイと崩れ落ちながら再編されてきた流れも、技術変化と権利構造の関係が腑に落ちる形で描かれています。 エンタメ業界を“なんとなくの雰囲気”で追いかけてきた人ほど、バラバラだった知識が線でつながる感覚があるはずです。企画に関わる人やクリエイター寄りの仕事をしている人にも、かなり刺さると思います。 表に見える作品の裏でどんな力学が働いているのかを知りたい人に、とても相性がいい一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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