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今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる (講談社現代新書100)

今を生きる思想 宮本常一 歴史は庶民がつくる (講談社現代新書100)

畑中章宏

講談社 / 2023-05-18

累計読者数11
平均ハイライト数 27.6件/人
推定読了時間 約1時間20分
star総合評価 72/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 47%

この本について

仕事でも日常でも、自分がどの「世間」に属しているのか分からなくなる瞬間ってありませんか。どれも自分の顔のはずなのに、場面ごとに違う振る舞いを求められて、気づけばどれが本音なのか曖昧になる。しかも、組織の内側と外側の価値観の違いに振り回されることも多い。そんなときにこの本を読んで、少し呼吸が楽になりました。 宮本常一の民俗学は、特別な思想を語るというより「人がどう生きてきたか」を、生活の手触りごと追っていく学問でした。村の風景や民具の使われ方といった細部から、人がどう共同体と距離を取り、どう外の価値を取り入れてきたかが見えてくる。閉じた共同体だけでも、公共性の空間だけでも、人は身動きが取れない。両方を行き来して生きるのが普通なんだ、と気づかされます。 また、自分の中の「分人」をどう扱うか迷う人ほど、この本はおもしろいと思います。共同体ごとに違う顔を持つのは不誠実ではなく、むしろ歴史的に当たり前のことだった。主流のど真ん中に立たず、傍流から状況を見る姿勢も、焦りや同調圧力の多い時代には心強い考え方です。 自分の居場所が一つに定まらないことを不安に感じている人に、静かに効いてくる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

『忘れられた日本人』で知られる民俗学者・宮本常一とは何者だったのか。その民俗学の底流にある「思想」とは? 「大きな歴史」から零れ落ちる「庶民の歴史」。日本列島のすみずみまで歩き、聞き集めた小さな歴史の束から、世間や民主主義、多様な価値、さらには「日本」という国のかたちをも問いなおす。傍流として、主流が見落としてきた無名の人びとの「語りの力」を信じて――。 【本書のおもな内容】 ●「庶民」が主役の歴史を構想 ●盲目の「」乞食の自分語りに見出した意味 ●村をよくするために尽くした「世間師」 ●釣り糸を変えると豊かになる ●「寄り合い民主主義」の可能性 ●日常生活に潜む「深い心のかげり」に着目 ●「ふるさと」を起点として広い世界を見る ●旅に学ぶ――父の10ヵ条 ●男性による女性支配の「東西での違い」 ●人が人を信じることで人間全体が幸福になる 「宮本の民俗学は、私たちの生活が『大きな歴史』に絡みとられようとしている現在、見直されるべき重要な仕事だと私は考える。これほど生活に密着し、生活の変遷を追った仕事は、日本の近代でほかにはみられないからだ。宮本は庶民の歴史を探求するなかで、村落共同体が決して共同性に囚われてきただけではなく、『世間』という外側と絶えず行き来し流動的な生活文化をつくってきたことも明らかにする。そしてそれは、公共性への道が開かれていたと解釈することができるのだ。また近代を基準にみたとき、さまざまな面で遅れているとされてきた共同体の生活、あるいは慣習のなかに、民主主義的な取り決めをはじめ、民俗的な合理性があったことも裏づける」――「はじめに」より ■■■■■■■■■■ 100ページで教養をイッキ読み! 現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!! 1:それは、どんな思想なのか(概論) 2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景) 3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用) テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、 「一気に読める教養新書」です! ■■■■■■■■■■
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