
絶望を希望に変える経済学 社会の重大問題をどう解決するか (日本経済新聞出版)
アビジット・V・バナジー, エステル・デュフロ, and 村井章子
日経BP / 2020-05-25
この本について
最近、ニュースを見るたびに「結局、何が問題の根っこなんだろう」と考え込むことが増えました。移民、賃金格差、政府不信、テクノロジーの進歩……話題は多いのに、自分の中では点がバラバラでつながらないまま。正直、背景が複雑すぎて、どこから理解すればいいのか分からなくなることがあります。 この本は、そんなモヤモヤを少しだけ整理してくれました。たとえば、移民が来ると既存の仕事が奪われるという直感的な不安に対して、実際のデータがどう動いているのかを落ち着いて示してくれます。また、UBIの議論ひとつ取っても「理念より財源が現実の壁になる」という、夢と現実の折り合いのつけ方が具体的です。さらに、政府への不信や分断がなぜここまで深刻化するのかも、個人の生活感覚と政策の距離から丁寧に説明されていて、感情だけでは片づけられない問題の構造が見えてきます。 読んでいて救いになるのは、作者たちが「すぐに正解を言い切る」のではなく、限界も含めて一緒に考えようとする姿勢です。世界の問題が巨大に見えるときほど、自分の勘に頼りすぎず、別の視点を足すことの大事さを思い出させてくれます。 社会の変化を前に、自分の考えを一度ていねいに組み立て直したい人に静かに刺さる本だと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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