
1973年に生まれて 団塊ジュニア世代の半世紀
速水健朗
東京書籍 / 2023-07-06
この本について
最近、歳を重ねるほど「自分が生きてきた時代って、結局なんだったんだろう」とモヤモヤすることが増えました。仕事でも家庭でも、価値観の変化が早すぎて、自分の感覚だけが置いていかれているような心細さがあるんですよね。過去を美化したいわけじゃないけど、ただ事実として、自分が見てきた景色をもう一度ちゃんと捉え直したい。そんな時に、この本がちょうどよかったです。 刺さったのは、あの頃の空気を「懐かしさ」じゃなく、ちゃんと「社会の動き」として描き直してくれるところです。例えば、ビデオテープの値段や規格競争の話を読むと、当時の家のリビングで起きていた小さな不便や期待まで、急に現在の技術変化と地続きに感じられます。ゲームセンターの治安が変わった時期の描写も、単なる思い出話じゃなく、自分がどんな社会の流れの中で育ったのかが見えてくる。さらに、90年代の雇用の揺らぎに触れていくあたりでは、「あの時代感って、決して自分だけのものじゃなかったんだ」と腑に落ちました。 結局のところ、この本は「自分の半径数メートルの記憶」を、もう一度社会史の中に置き直してくれます。だから読んだ後に、変に励まされるでもなく、ただ気持ちが軽くなる。自分の感覚がちゃんと文脈の中で説明されるだけで、こんなに安心するんだなと感じました。 特に、昭和末期〜平成初期の空気感を「説明できないけど忘れられない」と感じている人には、とても静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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