
琥珀の夏 (文春文庫)
辻村 深月
文藝春秋 / 2023-09-05
累計読者数4
平均ハイライト数 10.8件/人
推定読了時間 約7時間37分
star総合評価 55/100
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この本について
最近、子どもの頃の記憶とか、親との距離感について、ふと立ち止まる瞬間が増えている人は多い気がします。自分が信じてきた「正しさ」って、本当に自分のものだったのか。あるいは、大人の都合に巻き込まれていただけなのか。その境界が曖昧なまま大人になって、今になって胸がざわつくことがあるんですよね。 『琥珀の夏』を読んでいて強く感じたのは、そのざわつきを丁寧に言語化してくれる物語だということです。親に寄り添ってほしかったのに届かなかった思いとか、子ども時代に与えられた「正解」が後になって重くのしかかる感じとか、あのとき言えなかった言葉がずっと心の底に沈んでいる感覚とか。読者が保存していた抜粋にも、その痛みの核心に触れている場面が多いですよね。特に「正しさに誘導される怖さ」や「大人がつけた傷の責任は誰が取るのか」という問いは、読む側の経験と重なるところがあると思います。 とはいえ、この本は何かを断罪したり、スカッと割り切らせたりするタイプではありません。むしろ、自分の中のモヤモヤを少しだけ外に出して、あの頃の自分をやっと見つめられるようになる…そのくらいの静かな効き方をする物語です。過去を振り返ることが怖いけれど、置き去りにしたままの気持ちが確かにある、と感じている人には特に刺さると思います。
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出版社による紹介
見つかったのは、ミカちゃんなんじゃないか—— 『かがみの孤城』『傲慢と善良』の著者が描く、 瑞々しい子どもたちの日々。そして、痛みと成長。 かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、 少女の白骨遺体が見つかった。 ニュースを知った弁護士の法子は、無騒ぎを覚える。 埋められていたのは、ミカちゃんではないか——。 小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。 法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。 30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。 解説・桜庭一樹 ※この電子書籍は2021年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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