
ガザとは何か~パレスチナを知るための緊急講義
岡真理
大和書房 / 2023-12-24
この本について
ニュースを見るたびに、「なぜこんなことになっているのか」「どこから理解すればいいのか」と立ち止まってしまうことがあります。いま目の前で苦しんでいる人がいるのに、自分は歴史的な背景を知らないまま流されているだけなんじゃないか…そんな後ろめたさに近いモヤモヤを、僕自身ずっと抱えていました。 この本は、いま起きていることを émotion ではなく、長い時間軸の中でどう位置づければいいかを丁寧に示してくれます。例えば、報道で切り取られる「今日の出来事」が、実は何十年も前から続く構造の中にあるという視点や、イスラエルとパレスチナの関係を単なる宗教対立として扱うことの危うさなど、知っているつもりで抜け落ちていた前提がいくつも明らかになります。読者が保存していた部分に多かった「歴史的文脈を捨象することが、暴力に加担することになりうる」という指摘は、僕にとっても耳が痛いものでした。 そして一番効いたのは、「誰が加害で誰が被害か」という単純化を煽らないところです。ホロコースト後のユダヤ人の複雑な境遇や、シオニズムの内部にある多様な立場など、単純化に抗うための材料が静かに積み上げられていきます。感情論ではなく、立ち位置を確認するための足場を渡してくれる本でした。 責任を持って状況を理解したい人、あるいは「自分は何も知らないまま判断していたかもしれない」と感じた人に、そっと手渡したい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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