
コモンの再生 (文春文庫)
内田 樹
文藝春秋 / 2024-03-06
累計読者数4
平均ハイライト数 16件/人
推定読了時間 約3時間42分
star総合評価 55/100
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この本について
最近、「このまま社会が進んでいったらどこに行き着くんだろう…」みたいな漠然とした不安を抱えつつ、日々の仕事に流されて何もできていない気がしていました。何か備えなきゃと思うけれど、そもそも何をどう考えればいいのか分からない。そんなモヤモヤに触れたとき、この本の抜粋が妙に沁みました。 内田樹さんが指摘する「最悪の事態を想像する知的習慣が日本にはない」という話は、耳が痛いけれど現実的です。気づけば共同体としての“私たち”が薄くなり、誰もが自分のことで手いっぱいになる。その流れの中で、祭礼や文化、相互扶助の仕組みが静かに失われていく描写は、どこか今の空気と重なるところがありました。コモンという言葉を、欧州の共有地やコミューンといった“実在した制度”として丁寧に説明してくれるので、抽象的な理想論ではなく、自分の生活に引き寄せて考えやすい点も助かりました。 読んでみて個人的に効いたのは、「最悪を想像して準備する」「みんながいつでも使えるように、という主体を育てる」という二つの視点です。どちらも派手ではないけれど、日々の仕事でも家庭でも、できる範囲で試せる。自分ひとりではどうにもならない問題に向き合うときの、ささやかな足場をつくってくれる感覚がありました。 社会の空気に薄い不安を感じつつ、「何から考えればいいのか分からない」と立ち止まっている人には、静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
知の巨人が語り尽くす、日本への刺激的処方箋 いつの間に、日本はこんなに生きづらい、貧しい国になってしまったのか? なぜ、こんなにデタラメな政治がまかり通る世の中になってしまったのか? その答え、実は「コモン」ですべて説明できるのです。 AIによる大量失業、富の一極集中、アンチ・グローバリズム、人口減少による高齢化と過疎化…… いよいよ限界を迎え、音を立てて軋んでいる資本主義。 その背景には、昔はどこにでもあったコモン(共有地)の喪失がある。 今こそ分断を超え、新しい共同幻想を立ちあげるときだ。 絶望の果てに光を見出す希望の書。 巻末に文庫版特別付録として、東京大学大学院准教授・斎藤幸平との対談「心地よい、新しいコモンについて語ろう」収録! 21世紀の新たな「囲い込み」を警戒せよ! そこには、ディストピアしかない──。 ・西部劇「シェーン」は「コモンの消失」という悲劇を描いていた ・「貧困は自己責任」と切り捨てる心理 ・「青年」も「旦那」も消え、子どもおじさん・おじいさんが出現 ・「一罰百戒」で委縮するテレビ局や大手メディア ・ディープ・フェイクの時代を生き抜くために ※この電子書籍は2020年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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