
トランプ再熱狂の正体(新潮新書)
辻浩平
新潮社 / 2024-08-19
この本について
ニュースを見るたびに、なんでこんなに話が噛み合わないんだろう…と感じることが増えました。相手が極端になっているのか、自分が知らないだけなのか、その境界すらよく分からなくなる瞬間があります。分断って言葉は聞き慣れたけれど、実際のところ何が起きているのかはなかなか掴みにくいままです。 『トランプ再熱狂の正体』は、その「噛み合わなさ」の裏側を実地取材で丁寧に追いかけています。特に刺さったのは、情報ではなく“立場”が先にあって、それを守るために事実を選び取るという指摘でした。自分の中にも似た傾向があるかもしれない、と少しヒヤっとします。また、ホールフーズとクラッカー・バレルの例のように、思想の違いが生活圏や購買行動にまで染み出している描写は、「分断」という言葉を急に自分ごとへ引き寄せてきます。SNSが増やした“選べる情報の世界”が、実は自分の係数をますます強めているのかもしれません。 とはいえ、この本は誰が悪いと断じるわけではなく、著者自身が相手の話を聞き続ける中で感じた違和感や限界も正直に書いています。その距離感が、読んでいて妙に落ち着くというか、極端な議論に疲れたときの深呼吸みたいな役割をしてくれます。 相手の言葉を「ジャッジしない」で聞くってどういうことなのかを、ひとまず具体例で知りたい人に向いています。分断を“現象”ではなく“人の感情の積み上がり”として見たいときに、ちょうどいい一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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