
21世紀未来圏 日本再生の構想 全体知と時代認識
寺島 実郎
岩波書店 / 2024-05-16
この本について
最近、とくに外交や政治についてのニュースを見ても、「自分が何を基準に判断すればいいのか」がよく分からなくなる瞬間が多いです。国の意思決定の背景や、世界がどう動いているのかがつかめないまま、表面的な議論だけが流れていく感じ。そこにずっとモヤモヤしていました。 寺島実郎さんの『21世紀未来圏』は、そのモヤモヤに少し輪郭を与えてくれました。この本は刺激的な断定をするタイプではなく、「日本という国はどう歩んできて、どんな前提の上で今があるのか」を淡々と整理していきます。たとえば、戦後日本がアメリカ主導の“国づくり”の枠組みにどう組み込まれたのか、なぜ日本の資本主義には“国家依存”の色が濃く残るのか、そして日米・中露・アジアとの関係で本来どんな視点が必要なのか。抜粋を保存した方が惹かれたのは、この「構造の背景まで踏み込んで説明する姿勢」だと思います。 読んでいて、自分の理解が“点”ではなく“面”になっていく感覚がありました。領土問題や基地問題についても、感情論ではなく国際秩序の原則から位置づけ直すので、議論の見え方が変わります。また、経済や産業政策についても「誰が何を見て判断してきたのか」という視点が入るだけで、政策の評価基準そのものが整理されていきます。日々のニュースを追うときに、足場が一段しっかりする感じです。 「ニュースの断片じゃなく、歴史と構造の流れの中で今を捉え直したい人」に刺さる本だと思います。煽られる感じはなく、静かだけど確実に視界を広げてくれました。
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多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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