
60歳からの脳の使い方 (扶桑社BOOKS新書)
茂木 健一郎
この本について
年齢を重ねるほど、「前と同じように集中できない」「新しいことに手を伸ばす気力が湧かない」といったモヤモヤが増えてきますよね。忘れっぽさを責めたり、肩書を失った自分に戸惑ったり。周りの近況自慢を聞いて、なんとなく自分だけ止まっているような気がしてしまうこともあると思います。 この本は、そういう感覚を無理にポジティブに塗り替えるのではなく、「脳は年齢に合わせて動き方が変わる」という視点をくれる一冊でした。たとえば、全部覚えようとするより、うまく“忘れる”ほうが脳には都合がいいこと。ぼんやりする時間や外に出て光を浴びるだけでも脳が整理されて動き出すこと。そして、買い物のルートを変えるとか、新しいアプリを触ってみるとか、ほんの小さな変化で前頭葉がまた元気を取り戻すこと。どれも肩に力を入れなくてもできることばかりです。 読んでいて印象的だったのは、「経験にお金を使うほうが脳は若返る」という話や、「マウンティングはスルーしていい」という現実的な距離感です。人間関係のストレスを減らしつつ、生きがいにつながる感情を少しずつ取り戻す。その流れがすっと腑に落ちる構成になっています。 特に、退職後の変化に戸惑っている人や、最近なんとなく意欲が減ったと感じる人にはしっくりくるはずです。大げさな努力はいらないけれど、このまま縮こまっていくのも嫌だという人に、ちょうどいい温度で効いてくる本だと思います。
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