
エピクロスの処方箋 雄町哲郎シリーズ
夏川草介
累計読者数8
平均ハイライト数 22.9件/人
star総合評価 62/100
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この本について
最近、人の力を信じたい気持ちと、世界の理不尽さに疲れてしまう気持ちが行ったり来たりすることが多くありませんか。努力しても報われない瞬間が続くと、何を拠りどころにしたらいいのか分からなくなる。医療に限らず、仕事でも家庭でも、同じような無力感にぶつかる場面ってあると思うんです。 『エピクロスの処方箋』が沁みるのは、その無力感を無理に否定しないところだと思います。救えないものは救えないし、世界は理不尽だという前提から始まるのに、そこで終わらず、「それでも人は人を支えられる」という小さな光の話が積み重ねられていく。結果だけを重視する空気に疲れた時、「過程に意味がある瞬間も確かにある」と静かに教えてくれる場面が何度もありました。また、男女平等や役割分担の話も、きれいごとではなく現場のリアルから語られるので、読んでいて妙な納得感があるんですよね。 誰かを救おうとする時、立派な答えよりも「傘をさす程度でもいい」と言ってくれる世界に触れたい人に向いています。大きな希望ではなく、気づけばそばにあった小さな希望に目を向け直したい夜に、そっと効いてくる一冊でした。
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