
加速主義 増補新版 ニック・ランドと新反動主義 (星海社 e-SHINSHO)
木澤佐登志
この本について
最近、テクノロジーや資本主義に振り回されている感覚が抜けない、という声をよく聞きます。自分の集中力まで「最適化」されていくような息苦しさとか、未来の話をしているはずなのに、どこか不穏な空気がまとわりつくあの感じです。僕自身、仕事のスピードに合わせて思考も引きずられていくような日があって、その背景にあるものをどうにか掴みたくて手に取ったのがこの本でした。 読んでまず助かったのは、いま自分が感じているモヤモヤが個人的な問題ではなく、もっと大きな思想や歴史の流れの中で位置づけられることでした。ADHD薬の「過集中」が生産性の倫理と結びついている話や、ミームや情報が現実を作り変えていく力を持つという指摘は、日々のオンライン環境で起きていることを説明する足場になってくれます。また、シリコンバレーの価値観が単なるイノベーション礼賛ではなく、権威主義と結びつく危うさを抱えている点も、ニュースを読み解く視点が変わりました。 さらにありがたかったのは、加速主義が「全部のスピードを上げよう」という単純な話ではなく、資本主義そのものが押しとどめている部分に目を向ける思想だとわかったことです。単なる破壊のイメージではなく、何がシステムの外側へ向かう力になるのかを考えるきっかけになる。 テクノロジー社会の空気にどこか居心地の悪さを感じている人には、とくに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
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