
置き配的
福尾匠
講談社 / 2025-11-20
累計読者数11
平均ハイライト数 23.6件/人
推定読了時間 約3時間
star総合評価 58/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 12%
この本について
最近、SNSで何かを言うたびに「どっち側の人間か」を問われているような、落ち着かない感じがありませんか。黙っていたらいたで、沈黙すら立場表明と見なされるあの窮屈さ。僕自身もそこから距離を取ろうとしているのに、気づけばまた巻き込まれてしまうことがあります。 福尾匠『置き配的』は、そういう息苦しさを「性格」や「気の持ちよう」ではなく、空間や技術の変化として説明してくれる本です。ピックとドロップで切り詰められた世界が、コミュニケーションの形まで線的にしてしまうこと。SNSの論争が中身よりもラベリングの応酬になりやすいのは、個人が「端末」として扱われてしまう仕組みの副産物であること。そして、言葉の過密状態に押しつぶされそうになるときに、ただ「疎さ」に身を置くという別の態度もあり得ること。どれも自分の感覚に思い当たるところがあって、読んでいて妙に腑に落ちました。 難しい本ではありますが、「世界のほうが変わってしまったから自分もしんどい」という視点を取り戻したい人にはすごく効くと思います。SNSでの立ち回りに疲れたとき、いま感じている違和感を外側から照らし直してくれるような一冊です。
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出版社による紹介
コロナ禍以降、社会は置き配的なものとなった―― 「紀伊國屋じんぶん大賞2025 読者と選ぶ人文書ベスト30」の1位に輝いた気鋭の批評家が放つ最初にして最高の2020年代社会批評! 群像連載の「言葉と物」を単行本化。酷薄な現代を生き抜くための必読書! 「外出を自粛し、Zoomで会議をし、外ではマスクを着け、ドアの前に荷物が置かれるのに気づくより早く、スマホで通知を受け取る。個々人の環境や選択とはべつに、そのような生活がある種の典型となった社会のなかで、何が抑圧され、何が新たな希望として開かれているのか。そうした観点から、人々のありうべきコミュニケーションのかたちを問うこと、それがこの本のテーマです。(中略) つまり、狭義の置き配が「届ける」ということの意味を変えたのだとすれば、置き配的なコミュニケーションにおいては「伝える」ということの意味が変わってしまったのだと言えます。そして現在、もっとも置き配的なコミュニケーションが幅を利かせている場所はSNS、とりわけツイッター(現X)でしょう。保守とリベラル、男性と女性、老人と若者、なんでもいいですが、読者のみなさんもいちどは、彼らの論争は本当に何かを論じ合っているのかと疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。 (中略)置き配的な社会を問うことは、書くことの意味を立ち上げなおすことにも直結するはずです。」(本文より)
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