
資本主義と、生きていく。 歴史と思想で解き明かす「構造的しんどさ」の正体
品川皓亮
この本について
日々、時間に追われたり、成長し続けなきゃと焦ったり、「なんでこんなにしんどいんだろう」と首をかしげたくなる瞬間ってありますよね。自分だけが要領悪いのかと思うけれど、どうもそれだけでは片づかない何かがある。僕自身もずっとその正体がつかめずにいました。 『資本主義と、生きていく。』は、その“なんとなくの息苦しさ”を歴史や思想の側からほどいてくれる本です。読んでみて一番助かったのは、いま感じているプレッシャーの多くが、個人の弱さではなく「構造的なしんどさ」として説明できることでした。例えば、数字で成果を測られ続ける背景には金融化の歴史があり、時間に追われる感覚には修道院から続く時間支配のルーツがある、といった具合に、自分がいま立っている場所の“来歴”がわかるんです。また、人間の欲望が資本主義に利用され、同時に資本主義の側も欲望を増幅するという相互作用を知ることで、「なんでこんなに消費に振り回されるんだろう」という疑問にも腑に落ちる説明がつきます。 この本がすごいのは、「資本主義から距離を置け」と突き放すのではなく、時間・成長・数字・労働・お金・消費という六つの“追手”ごとに、自分なりの健全な目盛りを探すという現実的なアプローチを示してくれるところです。すぐに人生が変わるわけじゃないけれど、自分の認知のほうを少しずつずらすことで、追われている感覚を弱められるという視点は、個人的にもかなり救われました。 「頑張っているはずなのに、ずっと追い立てられている気がする」という人には特に刺さると思います。構造を知ることで、自分を少し責めなくて済むようになる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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