
「相対性理論」を楽しむ本 よくわかるアインシュタインの不思議な世界 (PHP文庫)
佐藤 勝彦
PHP研究所 / 1998-07-20
この本について
時間ってほんとうに絶対なのか、ってたまに考え込んでしまうことがあります。こっちは必死で動いているつもりなのに、世界のほうがゆっくり進んでいるように感じたり、逆に置いていかれている気がして焦ったり。感覚としては分かるのに、理由となるとよく分からないまま曖昧にしていることって多いですよね。 この本は、その「なんとなく抱えてきた世界の前提」を一度ひっくり返してくれるところがあります。たとえば、光の速さだけは誰がどう動いていても同じに見える、という事実から、時間そのものが伸びたり縮んだりするという発想にたどりつく流れは、抽象的な説明ではなく具体的な思考実験で描かれています。動いているものが細く見えるとか、重力の強い場所では時間が遅くなる、といった話も、単なる知識ではなく、世界の見え方がじわっと変わる感じで入ってきます。自分の感覚が間違っていたというより、「そもそも前提が違っていたのか」という納得がゆっくり積み上がる本です。 ふだんの生活で相対性理論を使う場面は多くないですが、「自分の基準が唯一の正しさじゃない」という視点は、仕事でも人間関係でもそのまま役に立つと思います。相手の時間が違うように感じる瞬間や、同じ出来事をまったく別の角度で捉えている相手に出会った時、この本で読んだ「見る立場によって世界は変わる」という感覚が、けっこう落ち着きをくれます。 科学の本だけど、むしろ「世界の成り立ちと、自分の立ち位置を改めて考えたい人」にいちばん刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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