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世界音痴 (小学館文庫)

世界音痴 (小学館文庫)

穂村弘

講談社 / 2009-10

累計読者数15
平均ハイライト数 8.8件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 51/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 28%

この本について

人と一緒にいるとき、ふと自分だけ浮いている気がする瞬間ってありますよね。会話に入れない、好意をどう受け取っていいかわからない、頼むべき場面で声が出ない。頭では「大したことじゃない」とわかっていても、体が固まってしまうあの感じ。私もよくあります。そういうとき、自分だけ世界の作法を知らずに立ち尽くしているような気になるんですよね。 穂村弘『世界音痴』は、その“立ち尽くし”の感覚を、隠さず、盛らず、淡々と観察している本です。読んで救われるというより、「あ、これ言葉になるんだ」と気持ちの居場所ができる感じに近いです。例えば、恋人の手を離してしまう場面のどうしようもなさとか、好意への反応が一気に無限大になってしまう癖とか、会話に入れず時間だけが沸騰していくあの焦りとか。自分でも説明できなかった細部が、突然すっと形を持つ瞬間があります。 もうひとつ、この本の効き方として大きいのは、「自分の反応が変でも、だからといって世界から落ちこぼれるわけじゃない」と静かに示してくれるところです。忘れ物エンジェルにはなれないとか、点滴を前に声が出ないとか、一般的な“自然さ”から外れていることに悩む気持ちがそのまま描かれていて、読んでいるうちに、自分の不器用さとの付き合い方が少しだけ和らぎます。 自分の感覚が他の人とずれている気がして、でもうまく説明できないまま大人になってしまった人に、そっと効く本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

末期的日本国に生きる歌人、穂村弘。雪道で転びそうになった彼女の手を放してしまい、夜中にベッドの中で菓子パンやチョコレートバーをむさぼり食い、ネットで昔の恋人の名前を検索し、飲み会や社員旅行で緊張しつつ、青汁とサプリメントと自己啓発本で「素敵な人」を目指す日々。爆笑そして落涙の告白的エッセイ。
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