
レ・ミゼラブル (上) (角川文庫)
ヴィクトル・ユゴー and 永山 篤一
新潮社 / 1967-05-10
この本について
日々まじめに働いていても、「自分はもう変われないのかな」とか、「これ以上どうやって立て直せばいいんだろう」と、ふと立ち止まってしまう瞬間があると思います。過去の選択を後悔し続けたり、人からどう見られているかばかり気にしてしまったり。そういう時に、何か大きな言葉に励まされたいわけじゃなくて、もう少し静かに、人の変わり方を見せてくれる物語に触れたくなることがあります。 『レ・ミゼラブル(上)』に出てくる言葉に読者が強く反応しているのは、ジャン・ヴァルジャンが司教からかけられる「あなたはわが兄弟です」という、あの静かな肯定に触れた瞬間が、誰にとっても“自分がまだ終わっていなかった”と思わせてくれるからだと思います。十九年の苦しみを背負った人間が、たった数言の受容で少しずつ姿勢を変えていく。その変化は劇的ではないけれど、現実の私たちにも起こりうるスピードで進んでいきます。また、弱さや愚かさを抱えた人間が、誰かの優しさに触れた途端に呼吸を取り戻すシーンが多く描かれていて、「人はどこからでも立て直せる」というより、「立て直し方を思い出すことができる」と言われているように感じます。 さらに本書は、社会の矛盾や貧しさに押しつぶされそうな人々の視点を通して、「努力しても報われない時、どう心を守るか」という現実的なテーマにも触れ続けます。登場人物たちの迷いや弱り方があまりに人間的で、そのぶん読者の抱えている疲れや苛立ちと自然に重なります。だからこそ、コゼットを助ける大きな手のように、“絶望の底にもまだ他の選択肢がある”という感覚が残るのだと思います。 自分の過去に折り合いをつけきれずにいる人や、「もう一度やり直すためのエネルギー」を静かに求めている人に刺さる物語です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




