
ノマドライフ
本田直之
株式会社朝日新聞出版
この本について
仕事の時間に追われて、気づくと「何のためにこんなに頑張ってるんだっけ」と立ち止まりたくなる日があります。場所の自由なんて遠い世界の話に思えるし、生活レベルも下げたくない。結局、動きたい気持ちと不安が綱引きして、どちらにも振り切れないまま時間だけが過ぎていく。自分もずっとそのあたりで足踏みしていたので、気持ちはよく分かります。 『ノマドライフ』は、そんな状態の人に対して「いきなりフリーになれ」とは言いません。むしろ、いまの生活や働き方の中に少しずつ“身軽さ”を作っていく視点をくれる本です。たとえば、自分が本当に必要としているお金の“額”を把握すること。生活費を少し減らしてみる練習をすることで、思った以上に自由度が生まれる感覚は、読むだけでもイメージが湧きます。それから、ムダを削ぎ落とすのは節約のためではなく、自由な時間をつくるためだという考え方。定時で帰るための効率化を「自分を楽にする工夫」として捉え直すだけで、日常の景色が変わってきます。 もうひとつ、この本が優れているのは“柔軟さ”の扱い方です。年齢を重ねるほど頭が固くなるという前提に立ったうえで、あえて年下の人や異なる文化に触れることを思考のストレッチとして勧めてくれる。これが案外効きます。ノマドという言葉に苦手意識がある人でも、「選択肢を増やすための思考法」として読むとしっくりくるはずです。 会社をすぐに辞める覚悟なんてなくていいけれど、このままの生活に漠然とした息苦しさがある人。そんな人には、かなり刺さる一冊だと思います。自分にとっても、行動を急かされるのではなく“視野がふっと広がる感覚”をくれた本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの17%が集中しています。
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