
成功と失敗の事例に学ぶ 戦略ケースの教科書
松田久一
かんき / 2012-08
この本について
仕事で戦略を考える場面になると、「フレームワークは知っているのに、具体的にどう動けばいいのか分からない」「事例を読んでも自分の状況に当てはめられない」といったモヤモヤがつきまといます。頭では理解できているつもりでも、現場で判断するときには手が止まる…僕もずっとその繰り返しでした。 この本がありがたいのは、戦略の“型”をそのまま語るのではなく、実際の企業がどんな状況で、何を根拠に動き、どんな結果につながったのかが具体的に見えるところです。たとえば、紙おむつの普及ラインを GDP 3000 ドルで見極めて海外展開を仕掛けたユニ・チャームや、需要縮小を正面から受け止めてネスプレッソというまったく別の市場を開いたネスレなど、「どう判断したか」の部分が立体的に描かれています。また、経験曲線や VRIO、5 フォースといったフレームも、単なる知識ではなく「どの局面で役に立つのか」が事例を通して掴めます。KOMTRAX のように、データを使って保守サービスそのものを組み替える発想も、読みながら自分の業務に置き換えやすいはずです。 特に、「強みと弱み、機会と脅威はコインの表裏」という視点は、自社や自分の立場を見つめ直すときにじわっと効きます。使ってきた枠組みが急に違う意味を持ち始める感覚があり、戦略を“選ぶ”というより“気づく”寄りに変わる気がします。 自分の仕事に戦略思考を落とし込みたいのに、どう結びつければいいか迷っている人に向いています。理解のつもりで終わっていたフレームが、行動につながる形でつながってくる一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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