
技術経営の考え方~MOTと開発ベンチャーの現場から~ (光文社新書)
出川 通
この本について
新規事業に関わっていると、「研究は進んでいるのに事業化の絵が見えない」「技術サイドと経営サイドの話がずっと噛み合わない」「プロジェクトを任されたけれど、どこまで自分が責任をもつべきなのか曖昧」というモヤモヤがつきまといます。自分もその沼に何度も落ちてきました。 この本は、その曖昧さをごまかさず、現場の実態として言語化してくれるところが強みだと感じました。例えば、研究と開発のあいだにある「魔の川」を越えないまま走りだすと、どれだけ頑張っても「死の谷」でつまずく構造になる話。あるいは、技術者が主体で判断すべき領域と、経営が主導すべき領域をきちんと切り分ける重要性。さらに、プロジェクトマネジャーが「全責任を自分で負う前提」で動かないと、社内調整に追われて肝心の事業化が進まないという、耳が痛いけれど現実的な指摘。どれも、読者が保存していた部分と重なっていて、使える視点でした。 特に、社内向けの作業に没頭するほど「鍛えられた気」にはなるけれど、本来の目的は成功させることであって、鍛錬ではないというくだりは、自分も思い当たる節がありました。技術と経営のあいだで迷っている人ほど刺さるはずです。 技術寄りの人でも、経営寄りの人でも、「新規事業を前に進めるときのリアルな地図が欲しい」というタイミングで読むと、景色の見え方が変わる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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