
「善人」のやめ方 (角川oneテーマ21)
ひろ さちや
KADOKAWA
この本について
仕事でも人間関係でも、「ちゃんとしていないといけない」「悪く見られたくない」と思えば思うほど、息が詰まっていく感じってありますよね。自分ではそんなつもりがなくても、いつのまにか“世間の良い人像”に合わせて生きていて、ふと立ち止まると「これ、本当に自分の人生だったっけ?」と不安になる瞬間があると思います。 ひろさちや『「善人」のやめ方』は、そういうモヤモヤに対して、上から理想を押しつけるのではなく、むしろ「そんなに善人でいなくていい」と肩の力を抜かせてくれる本でした。著者が繰り返し語るのは、人間はそもそも不完全で、誰かと比べて「自分は善人だ」と言い張ること自体が無理筋だという視点です。読者が保存していた「みんな罪人です」「あなたは悪人であることを自覚しなさい」の言葉に刺さったのは、きっと“善人でいなければ”という呪縛が強い人ほど、そこから逃げる許可をもらえた気がしたからだと思います。 もうひとつ印象的なのは、“世間”との距離の取り方です。世間体を守ろうとすると、いつのまにか自分で自分を縛ってしまう。著者はそれを「現代人は自ら志願して奴隷になっている」と切り取りますが、これを読むと、他人の目に合わせて疲弊するより、多少不器用でも自分のペースで生きたほうがいいと静かに背中を押されます。「生活が苦しくても、人生の価値は減らない」という一文は、僕自身かなり救われました。 「誰にも迷惑かけずに、ちゃんと生きなきゃ」と思い込みすぎてしんどくなっている人に、じわっと効いてくる一冊です。善人をやめるというより、“世間に縛られすぎている自分”に気づくための道具として置いておくといいと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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