
脳科学からみた「祈り」
中野信子
潮出版社 / 2011-12
この本について
最近、「自分のことで手一杯で、人にまで気を配る余裕なんてない」と感じる場面が増えていませんか。僕も仕事が詰まってくると視野が一気に狭くなって、周りにうまく頼れなかったり、逆に人のことでイライラしたりします。でも、この本を読むと、その状態そのものが脳の働きと深く関わっていることが見えてきました。 特に響いたのは、配慮の範囲が広い人ほど長い目で見て幸福度が高い、という指摘です。立場や役職じゃなく、「どれだけ先の未来まで思い描けているか」で脳の使い方が変わり、行動も変わる。たとえば一年後の自分やチームを想像できるだけで、展望的記憶が働いて意欲が戻ってくるという話は、忙しさで視界が曇ったときの小さな支えになりました。また、人のために動くときに分泌されるオキシトシンが、深い幸福感につながるという説明も、妙に腑に落ちます。やらされ感で誰かを管理するのではなく、「どう育ってほしいか」をちゃんと思うだけでも脳の反応が変わるというのは、現実的で救われるところでした。 人間は一人では幸せになれない、という言葉も重く響きますが、決して説教ではなく、「脳の仕組み上そうできている」という淡々とした事実として提示されるので、押し付けがましさがありません。 視野が狭くなりやすい人、チームの中でどう振る舞えばいいのか迷いがちな人には特に刺さると思います。自分の状態を責める前に、一度脳のしくみから覗いてみたいときに手に取ると、少し息がしやすくなる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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