
松明は自分の手で
藤沢 武夫
PHP研究所 / 2009-03-23
この本について
仕事で判断が揺れたり、人と組む場面で「本当にこれでいいのか」とモヤつくことが多いと、どこに軸を置けばいいのか見えなくなる瞬間があります。正しさより相性なのか、柔軟さより一貫性なのか。そのあたりで足が止まりがちなときに、『松明は自分の手で』の言葉がじわっと効きました。 この本に出てくる藤沢武夫は、いわゆる完璧な経営者像とは少し違っていて、最初から哲学があったわけでもないし、人と組むのも得意ではなかったと率直に書いています。それでも、本田宗一郎という相手と出会い、役割を分け、決めた方針を貫き、ときにはぶつかりながらも「二人で一つ」を続けていく。読者が保存した抜粋を見ると、派手な戦略よりも、シンプルに決めて、迷わず進むことへの共感が多いように感じました。判断に迷ったときも、禍をどう橋渡しするかに意識を向け続ける姿勢は、現実的で、変な力みがありません。 もう一つ印象的なのは、トップ同士でも「個性が強いほどうまくいかない」と分かったうえで、それでも組むと決めた理由が“面白いから”だったところです。合理性より、人としての相性と信頼を大事にしている関係の描き方が、職場でのパートナーシップに悩む人には刺さるはずです。役割を分けて徹底し、言うべきことは言う。その距離感のつくり方は、仕事の規模がどうであれ参考になります。 こんな人に刺さる本だと思います。自分の判断基準をつくりたいけれど、肩に力の入った理論書には疲れてしまう人。そんなときの一本としてちょうどいい温度でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの55%が集中しています。
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