
経済を読み解くための宗教史
宇山 卓栄
KADOKAWA / 2015-11-19
この本について
仕事でも日常でも、人との距離感や価値観のズレに戸惑うことが増えてきました。なんであの国の人とは話が噛み合わないんだろう、なぜこのルールはこうなっているんだろう、そもそも自分は何を基準に「正しい」と感じているんだろう……。説明しづらい違和感だけが残ってしまう場面、けっこうあると思います。 この本を読んで一番助かったのは、「経済」「宗教」「法律」「国民性」といった大きなテーマが、じつは全部ひとつの線でつながっているんだと腑に落ちたことでした。例えば、前近代では犯罪捜査の技術が弱く、だからこそ人々の良心を支える宗教が共同体の仕組みに組み込まれたという話。これを知ってから、なぜ国によって“信用の作られ方”が違うのかを考えやすくなりました。また、明治期に輸入したヨーロッパの法律の背後にはキリスト教の倫理観が染み込んでいる、という視点も新鮮で、「日本は無宗教」と言い切れない理由が具体的に見えてきます。さらに、資本主義の基盤となったプロテスタントの労働観の説明は、働くことの意味を見失いそうになった時の足場にもなりました。 個人的には、世界を理解するための“前提”が静かに書き換わる感じがあって、ニュースや歴史に対する見え方が少しだけ落ち着いたものになりました。頭で理解するというより、世界の動きが腹に落ちる感覚に近いです。 文化や価値観の違いにモヤモヤしてきた人、また「経済の背景にある人間の心理や信念」を知りたい人には特に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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