
辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 (文春文庫)
佐々木健一
文藝春秋 / 2016-08-04
累計読者数5
平均ハイライト数 7件/人
推定読了時間 約5時間11分
star総合評価 50/100
boltライト読書型
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この本について
仕事でも日常でも、言葉の選び方ひとつで「伝わった/伝わらない」が分かれるのに、その差がどこから生まれるのかは案外よく分からないままです。辞書を引けば答えがあるはずなのに、辞書そのものをつくる人のことはほとんど知らない。この本を読んで、そんな小さなモヤモヤが少しほどけました。 『新明解国語辞典』の語釈に惹かれる理由は、ただ個性的だからではなく、そこに“毀誉相半ばする”ほどの葛藤や、二人の編者の人生観が刻まれていたからだと知れます。初刊を受け継ぎながら構想を変えていく山田先生、その背後にある見坊先生の大きな足跡。二人が互いの視点をぶつけ合い、ことばを研ぎ澄ましていく過程を追うと、普段何気なく使っている日本語が、実は思考そのものをつくっていることに気づかされます。 特に刺さったのは、「語釈とは結局、世界の見方そのものなんだな」と腹に落ちる瞬間がいくつもあることです。誰かの定義に触れることで、自分の中の曖昧さが少し輪郭を持つ。読書・恋愛・世間知など、日常ど真ん中の言葉がここまで深く掘られていたのか、と驚きながら読み進めていました。 ことばに振り回されがちな人、あるいは辞書をただの道具以上のものとして見てみたい人には特に響く一冊だと思います。
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出版社による紹介
「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。 そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。 二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。 しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。 「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。 「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。 二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。 「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、 「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。 本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを 二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。 著者は同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。 同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実や こぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて一冊の本にまとめた。 本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。
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