
はじめてのサイエンス (NHK出版新書)
池上 彰
NHK出版 / 2025-05-10
この本について
科学の話って、知っておいたほうがいいのは分かるのに、ニュースを読んでいて「結局どうつながってるんだ…?」と置いていかれる瞬間がありませんか。気候変動や原発、再生医療みたいに日常の判断にも関わるテーマほど、専門用語だけが先に立ってしまって、自分の中で整理しきれないまま積み上がっていく感じがあります。 『はじめてのサイエンス』は、そのもやっと感をほどくときにちょうどいい距離感の本でした。相関関係と因果関係を勘違いしがち、という指摘は耳タコですが、伊豆半島の植生の変化みたいな身近な観察とつなげて説明されると、自分でも「あ、これは同じ落とし穴だな」と気づける。福島第一原発の非常用電源の配置と津波の関係も、技術だけでなく“どこまで分かっていて、どこが未解明か”を理解しないと判断を誤るという話にリンクして、急に現実味を持ち始めます。さらに、温暖化を科学が突き止めても、止めるのは政治と経済という視点も、ニュースの見え方を変えてくれました。 宇宙や素粒子のような遠い世界の話も、ガリレオの観察や天気予報の“確率三〇パーセント”の意味など、日常の手触りに引き寄せてくれるので、専門知識がなくても自分の理解が一段階深まった感覚があります。理屈を覚えるというより、「どう見ると迷わなくなるのか」がつかめる本でした。 科学の話題に触れるたびに立ち止まってしまう人に、静かに効く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
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