
「経営の定石」の失敗学 傾く企業の驚くべき共通点
小林忍
この本について
仕事の場で「なんで議論がこんなに噛み合わないんだろう」とか、「現場を見て判断したはずなのに、あとからズレが出るのはなぜだろう」と悩むことがあります。自分では丁寧に考えているつもりでも、気づけば“空気”や“言葉の曖昧さ”に引っ張られていたりして、後から振り返るとモヤっとするあの感じです。 この本を読んで印象的だったのは、そうした“ズレ”の正体が、派手な経営失敗ではなく、もっと地味で見過ごされがちな構造から生まれていると指摘してくれるところです。例えば、社長が来るとわかった瞬間に倉庫を空にしてラインを回す“学芸会”のような現場づくりや、「現場主義」「品質」などの平易な言葉を、それぞれが勝手に違う意味で使っていることによる誤解。あるいは、部門の思惑がぶつかって話が前に進まなくなるときに、あえてスイッチ人事やCFTで視点を交換することでようやく議論が動く、あの妙にリアルな感じ。読みながら、自分の職場でも思い当たる場面がいくつもありました。 結局、“情報を集める”ではなく、“示唆までたどり着く力”が不足していると、判断も議論も全部空回りするんですよね。この本は、その力を「インテリジェンス」と呼び、どう積み上げていくかをミクロな事例で見せてくれるので、机上の空論にならないのがありがたいです。 組織の意思決定に日々モヤつきながら、「自分は何を見落としているんだろう」と感じている人に静かに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの15%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本の後に読まれた本
トランスフォーメーション思考 未来に没入して個人と組織を変革する
植野 大輔、堀田 創
両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」
加藤雅則, チャールズ・A・オライリー, and ウリケ・シェーデ
プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ
ポール・ウエイド and 山田 雅久
マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力
テレサ・アマビール, スティーブン・クレイマー, 中竹竜二, and 樋口武志
サーキュラー・エコノミー--デジタル時代の成長戦略 (日本経済新聞出版)
ピーター・レイシー、ヤコブ・ルトクヴィスト、牧岡宏、石川雅崇、アクセンチュア・ストラテジー
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