
日本企業初のCFOが振り返るソニー財務戦略史 (日本経済新聞出版)
伊庭保
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この本について
経営や組織の数字を見ていると、「部門ごとには合理的なのに、会社全体としてはちぐはぐだな…」と感じることがありませんか。あるいは、事実確認に時間が割けなかったり、部下との信頼関係づくりに迷ったりと、結局“人と数字の間”で迷走しやすいのが実務の現場だと思います。僕も同じで、日々その揺れの中にいます。 この本が面白かったのは、ソニー初代CFOがその揺れをどう処理してきたのかを、きれいごと抜きで語っているところでした。例えば、各部門が合理的に動くほど全体が崩れる「合成の誤謬」をどう防ぐのか。あるいは、「Profit is opinion. Cash is fact.」という姿勢で、経営判断をどこまで事実ベースに寄せるのか。そして、最終的には仕組みだけでなく、“人の魅力や信頼”が意思決定を動かすという、避けて通れない現実までちゃんと触れてくれています。 財務の知識がなくても読めますが、数字の裏にある組織の動きや人の関係まで見え始めるので、経営会議や予算編成に関わっている人ほど刺さるはずです。僕自身、事実確認の徹底や、得意技でチームを組むという発想が、翌日の仕事の見方を少し変えてくれました。 「数字と人のどちらにも迷っている人」に静かに効く一冊だと思います。
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