
広く弱くつながって生きる (幻冬舎新書)
佐々木俊尚
幻冬舎 / 2018-03-30
この本について
人とどう距離を取ればいいのか、最近ますます難しくなってきた気がします。近づきすぎればしんどいし、離れすぎると孤独になる。しかもネットでは正義の殴り合いみたいなことが起きていて、自分もどこかで巻き込まれるんじゃないかと不安になる。そういうモヤモヤを抱えながら、でも日常は続いていくんですよね。 『広く弱くつながって生きる』は、その中間の落としどころを丁寧に示してくれる本でした。刺さった人が多い抜粋を見ても、極端な正義感やエコーチェンバーへの警戒、必要以上に自分を主張しすぎない姿勢など、「どう距離を整えるか」に関する実感のこもった言葉が並んでいます。私自身も、つい相手に求めすぎたり、自分の話ばかりしてしまったりすることがあって、そのたびに後からひとり反省会をしていたんですが、この本を読むともう少し肩の力を抜いていいんだと思えました。 特に効いたのは三つあって、ひとつは「弱いつながりがいちばん情報と安心をくれる」という現実的な視点。もうひとつは「求められた時だけ知恵を差し出す」という、距離の取り方の技術。そして最後に「自分の正義はいつでも間違えうる」という前提を持つことで、人との摩擦を減らせるという指摘です。どれも劇的な変化ではないけれど、次に誰かに会う時にふっと思い出して行動が変わるような実用度があります。 つながりに疲れたけれど、人と無関係にも生きられない──そんな人に静かに刺さる本です。
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